こんにちは。重度障害児の母、たんぽぽ母ちゃんです。
あなたは、障害のある我が子を育てていく自信がありますか?
ほとんどの方が、自信を持ってはいとは言えないのではないでしょうか。
我が子に障害があると宣告された方は、その障害の程度に関わらず大変なショックを受け、その悲しみを受け止めきれないものです。
中には、「自分には育てられない」と思う方もいるでしょう。
口に出して言うことは難しいことかもしれませんが、それは障害児を抱えた母親なら誰でも抱く、当然の感情です。
しかし、いくら「育てられない」と思ったとしても、現実的な問題として、よほど経済的に苦しいとか、養育が難しい環境にない限り、育児を放棄したり、施設に入れることは難しいです。
多くの母親が、苦しみを抱えながら障害のある我が子と向き合い育てていく選択をせざるを得ないのです。
この記事では、その「育てられない」と思う気持ち、我が子が障害を持って生まれた悲しみに、どう対処していけば良いのかを書いていきます。
また、現在妊娠中で、障害のある子供を産むことを迷っている場合には、具体的に障害児の生きる世界や福祉のサポート等の情報を知っておくと、不安が軽減されるかもしれません。
こちらの記事に、障害児が使えるサポート等の情報を載せていますので、参考にしてみてください。
>>>障害児の将来とは?〜学校や預け先は?生涯の流れを解説~
障害児を育てられないと思ったときの対処法~悲しみを受け入れていくプロセス~
悲しみを押し殺すことは自分自身だけでなく、周囲の人間にも悪影響を及ぼしかねません。
>>>障害児の母として頑張りすぎている方へ~感情にふたをすることの危険性とは~
>>>障害児がいることの、兄弟や夫への影響(母親が不幸でいることの影響)
悲しみを消化していくためには、自分自身の悲しみやマイナスの感情を認め、受け止めていくことが大切です。
悲しみを受け止めるための方法はそんなに難しくありません。
無意識で押し込めている感情に気づき、自分自身で認めていくだけです。
お子さんの障害の宣告後は、大きなショックにより感情がぐちゃぐちゃになっていると思います。
ぐちゃぐちゃな感情を紐解き、自分自身の感情をしっかり分析してみましょう。
1.自分の気持ちとしっかり向き合う
○自分の気持ちを書き出してみる
苦しい感情の中にいるときには、自分が具体的にどんな感情をもっているのかを把握できていないことが多いです。
まずは紙やノートなどに自分の感情を書き出してみましょう。
例:
- 障害児が生まれるなんて思ってなかった
- 障害児なんていらない
- 将来に不安な気持ちでいっぱい
- 子どもと一緒に死んでしまいたい
- 自分だけ障害児を産むなんて理不尽だ
- こんな人生は受け入れられない
- ○○のせいだ(自分や他人を責める気持ち)
ここでは、例え人に言えないような感情でも、正直に書き出すことです。
面倒に思われるかもしれませんが、頭の中で考えるのではなく、“書き出す”という作業をすることで、自分の感情を整理し、客観的に見ることができるのです。
紙に書き出すという作業をするだけで、感情を整理しやすくなることは科学的にも証明されています。
また、マイナスの感情に囚われ続けてしまう場合、視点を変えてみることも大切です。
書き出した感情に対し、自分の感情ではなく、他人が持っている悩みだ、と考えて見てみると、解決法が出てくる場合もあります。
他人が持っている悩みに対し、自分ならどうアドバイスするかな?と考えてみることも、視点を変えて解決する手段となるでしょう。
○自分の気持ちを肯定する
書き出しが終わったら、“自分にはこんな気持ちがあるんだ”としっかり受け止めましょう。
他人に言えないような悪い感情も隠す必要はありません。
人間ならば悪い感情も持っていて当然です。
全ての感情を受け止め、肯定してあげましょう。
人は他人に対して弱みを見せるのが怖いと感じます。
弱みを見せることが苦手な人ほど、無意識にマイナスの感情を隠してしまいます。
弱くてもいい、マイナスの考えを持っていても良いんだと認めてあげることで、心が軽くなると思います。
○不安と悲しみは別に考える
色んな感情を書き出す中で、不安の要素があると思います。
育児が不安、将来が不安、といった不安は、障害児の親なら誰でも感じるものです。
将来への不安は、障害児をサポートする制度や学校等の知識を得ることで解消されるものも多いです。
ただただ不安に振り回されるのではなく、その不安が知識を得て解決出来るものか、自分自身で整理することも大切です。
将来への不安が大きい方は、こちらの記事も参考にしてみて下さい。
>>>障害児の将来とは?〜学校や預け先は?生涯の流れを解説~
またこのブログ内にも福祉サービス等の情報を載せていくので、気になるものは読んで不安を解消していってください。
>>>障害がある子の保育施設や学校はどう選ぶか〜早期療育の必要性〜
>>>障害児の預け先「デイサービス」ってどんな所?〜利用方法や利用時間、かかるお金は〜
私自身も、息子が大きくなってきて将来への見通しがある程度持てるようになってくると、無駄に不安に振り回されるということは無くなりました。
○悲しみは感じきる
心理学的にも、悲しみを消化するためには、悲しみを感じきることが重要と言われています。
感じきると言われても難しいと感じるかもしれませんが、「ああ、自分はこんなに辛いんだな、悲しいんだな。」と頭で理解するだけで良いのです。
感じきってあげた感情は、少しずつ時間をかけて消化されていきます。
逆に悲しみから目を背けて「前向きに頑張らなければ!」と自分の感情を偽った場合、心のコップには未消化の悲しみがどんどん溜まっていってしまいます。
心には余裕がなくなり、物事を楽しめなくなります。
またある時限界がきて、鬱のように心がエネルギー切れになってしまうこともあります。
心に蓋をせず、自分の中の悲しみとしっかり向き合うようにしてください。
自分の感情を偽り、頑張りすぎたり感情に蓋をすることの悪影響について、詳しくは以下の記事で解説しています。
>>>障害児を育てることが辛い方へ~感情にふたをすることの危険性とは~
辛い時こそ、一度しっかりと自分の感情と向き合うことが大切です。
2.思い込みを無くす
障害児の存在を辛く感じる場合、自分の中の価値観や思い込みを見直すことで、心が楽になる場合があります。
○障害児=幸せではない?
あなたは、我が子が障害児であることを不幸だと思いますか?そして、それはなぜでしょう?
あなたは、“障害児を抱えた人生は不幸だ”と思い込んでいませんか?
自分の中の価値観を見直してみると、思い込みに気づくことがあります。
我が子が障害児であっても、幸せに生きることはできます。
人生を悲観せず、小さな幸せを見つけながら、前に進んでいきましょう。
○自分の中の他人の目線を外す
あなたの中に、「障害児を産んだことが恥ずかしい」という気持ちはありませんか?
それは、あなたの中に他人から見てどう思われるかという、他人の目を気にする価値観があるからです。
他人から見てどう思うかは、その相手にしか分からないことで、あなたがそれを気にする必要はありません。
自分の中の、“他人からの目線”を外すことで、楽になる方も多いのではないでしょうか。
価値観を見直す方法は、こちらの記事にさらに詳しく書いています。
3.心と身体の休養を取る
○よく寝てよく食べること
精神の健康を考える上で、切り離せないのが身体の健康です。
悪い考えに取りつかれて抜け出せないという方は、もしかしたら睡眠や食事を十分にとれていないのではないですか?
身体の状態が精神に影響を与えることは、科学的にも証明されています。
お子さんのお世話でなかなか時間が取れないかもしれませんが、自分自身がしっかり休むということに集中してみて下さいね。
○「今」に集中!幸せと思えることをする
あなたは、過去のショックを受けた場面を何度も頭の中で繰り返したり、未来への不安に永遠と心奪われたりしていませんか?
過去や未来に囚われていても、現状を変えることは出来ません。
大切なのは、「今」に目を向けることです。
あなたが「今」、楽しいと思える事、小さくても良いので幸せを感じられる事を探して下さい。
- 美味しいコーヒーを飲む
- ゆっくり湯船に浸かる
- 好きなお菓子を食べる
など、なんでも良いです。
そして、そこだけに集中してください。
おすすめなのは、自然と触れることです。
自然と触れ合うことでストレスが軽減されることは科学的にも証明されているそうです。
自宅に緑がなければ、近所の公園を散歩するだけでかまいません。
また、ちょっとした時にマイナス思考から離れ、意識を今に戻す練習をしておくと、気持ちが沈みにくくなりますよ。
おすすめの方法は、深呼吸をして呼吸に意識を向けることです。
その他、以下の記事の方法を試すのもおすすめです。
>>>ストレス耐性を作ろう!ストレスコーピングリスト(気晴らしリスト)の作り方
また、自分を幸せにする方法は、こちらの記事に更に詳しく書いています。
>>>障害児育児を楽にする、自分を幸せにする方法〜幸せの見つけ方〜
お子さんのためにと犠牲的になることは、結果として自分を苦しめます。
自分を大切にし、自分が幸せと思える事を繰り返し、悲しみに囚われている状態から抜け出していきましょう。
まとめ
今はお子さんの障害を受け止めきれずにいると思いますが、悲しみから目を背けず、時間をかけてゆっくり、自分の気持ちに寄り添っていきましょう。
大切なのは、過去や未来の不安や悲しみに囚われず、「今この時」に目を向けることです。
悲しみから抜け出せずに苦しい時には、こちらの記事も参考にしてみて下さい。
>>>我が子の障害を受け入れるまでにかかる年数は?〜「悲しみの5段階」とは〜
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ひとりで悩むママへ向け、カウンセリングルームを開設しました。自由に書き込める掲示板もあります。ひとりで気持ちを抱えきれずに苦しい方は、よろしければ一度、ご訪問くださいね。