こんにちは。重度障害児の母、たんぽぽ母ちゃんです。
みなさんは、この本をご存知でしょうか?
「私たちは子どもに何ができるのかー非認知能力を育み、格差に挑
この本は、貧困や虐待、家庭での愛情不足など、様々な環境下で育った子どもに対し、どうアプローチしていけば、より良い人生を送ることが出来るのかについて書いたものです。
今回は、「私たちは子どもに何ができるのかー非認知能力を育み、
この記事の内容は、本の文章から完全に引用したものではなく、私
「私たちは子どもに何ができるのかー非認知能力を育み、格差に挑 む」の概要と思うこと
本の概要
この本で書かれていることは、簡単に言うと、貧困や虐待など、ス
ストレス環境下で育った子どもたちが、その不幸のループに陥らないため
本の内容
まず、ストレス環境下で育った子どもに必要なものは、非認知能力
非認知能力とは、学習を粘り強く取り組む力や、ストレスをうまく
この性格の強みがあると、学校でもより自主性を持って学習に取り
◯愛着と非認知能力
親との愛着形成は3歳までになされるとされ、そこで人間関係の基礎と
愛着によって
①人間関係を作る能力、絶対的な安心感と自信が生まれ
↓次に
②ストレス管理能力、自制心が育ちます。
↓これが育ったのち、
③集中力、好奇心、粘り、学習への意欲が育ちます。
それが3歳までにストレスのある環境で育つと、世界は急な変化や
具体的には、以下の問題が起きます。
•学校では目の前のことに集中出来ず、勉強も遅れがちになる
•将来の人生にも、人間関係やストレス処理に困難を抱えがちにな
◯愛着が未形成の場合の解決法
学校における問題行動を起こす子供は、愛着などの正常な発達がストレスにより阻害され、心が育っていないた
その場合、問題行動を罰するのではなく、心が育っている
愛着がうまく形成されずに育った子の場合、まずは心の土台を作る
これにより、帰属意識(ここが自分の居場所で、ここに居て良いと
思いやりと敬意を持って関心を向け、自分の成功を信じてくれる大
◯失敗の捉え方
愛着形成に問題のある子どもの場合、失敗への不安が大きいです。
失敗が自分へのマイナスの意味での価値や評価ではなく、失敗は何かを学ぶチャンスであると伝えることには大きな意味があります
「失敗からすぐに立ち直る力」があるかどうかが、学習に大きな差
◯学業へのマインドセット(心のありかた)
学習へ意欲的に取り組むためには、子どもが以下のように感じてい
①私はこの学校に所属している
②私の能力は努力によって伸びる
③私はこれを成功させることができる
④この勉強は私にとって価値がある
この信念があれば、挫折や失敗を乗り越えられます。
幼少期の有害なストレスは、子どもの心に大きく影響します。
ストレス環境下で育った子の場合、過敏な闘争•逃走反応がある
また、ストレス環境下で育った子どもは、世界の受け止め方にも影
•ここは敵地だ。警戒せよという警告
•挫折時に自分を責める
•他人の行動は敵意と偏見の現れと捉える
•良いこともどうせ長続きしないと考える
また、態度としては以下のようになる子がいます。
•内にこもって自分を守ろうとする子
•外部への攻撃性という殻で自分を守る子
そういった子たちは、積極的に学習に参加することはできなくなっ
情熱や反応も抑え込み、思い切ってやってみる、ということもでき
思い切ってやってみなければ、学ぶことも出来ません。
これを改善するためには、学校や友達など、人間関係において歓迎され、価値を認められ、
教師との関係であれば、生徒に対し期待を寄せていること、そして
◯内発的動機付けの重要性
また、ストレス環境下で育った子どもたちが積極的に学習に取り組むため
•外発的動機付け(テストの点が良かったらお小遣いをもらえるなど
•内発的動機付け(自分の興味や、内からのやる気による動機)特に「自立性」「有能感」「関係性」が重要。
◯具体的な学習の改善策
具体的には、以下のような学習が効果的です。
•全生徒が参加するグループ討論や、全体討論を行う
•評価はなるべく生徒自身が行う(点数ではなく、何を学んだか)
子供たちにもっと自信を持ちなさいとか、知的な胆力を持ちなさい
子供たちが性格を学びとるには、サポートを受けながら、思いきっ
討論などの主体的な学習への参加は、生徒たちは最初は緊張したり
しかし、やがて自信がついて、
そういうチャンスが性格をつくりあげるの
•学習での重要な点
子どもが学習をする上で、自分は重要でやりがいのある活動をしているのだと思うことが重要
知的な課題に粘り強く取り組み、苦労しながらやりとげる経験は、
そして「有能感」と「自律性」というふたつの感情を生みだし、生徒のマインドを変えていくのです。
◯これからの時代の教育に必要なこと
これまでの教育の歴史的背景
教育手法が確立した一世紀以上前には、経済の側面から見た公立学
↓
現代社会において必要な能力
チームで仕事をする能力、人前でアイデアを提示する能力、効果的
現代の社会において必要な能力を育てるためには、練習の機会が必
◯ディーパーラーニング型の学習法
現代社会において必要な能力を育てるための具体的学習法は、ディーパーラーニングという形態の学習が有効です。
〈ディーパーラーニング〉
•探求型…生徒に講義させる
•プロジェクト型…グループで仕上がりに何週間もかかる複雑な課
•実績重視の評価…点数ではなく、実績やプレゼンテーション、文
さらに、興味に従って学ぶという点に重きを置いた学習を取り入れ
例えば、勉強する科目も自由に選べるというもの。
「人生を豊かにするコース」…ダンスやテコンドー、ロボット工学
こういった学習法は富裕層や学習が進んだ学校で一部行われているものです。
しかし、ストレス環境下で育った子ども達にこそ、こういった教育が必要だと本書では述べられています。
◯教育の変革のためには
教育を変えていくためには、以下の三点が必要だと述べられています。
•社会政策の必要性
•いち教師たち(教育者)が意識を変え、行動を起こすこと
•私たち一人一人が、身近な所から、自身の認識を変えれば子どもも変わると認識し、行動すること
社会政策を変えていくことはすぐにはできませんが、個人(学校の先
個人の意識が変わっていくことで、社会が変わっていくでしょう。
子ども時代の逆境は、たとえ完全に払拭出来なくとも、乗り越える
本書を読んで
◯本書の要約
本書のポイントを要約すると、
•ストレス環境下で育った子どもも、周りの大人が愛情を持って接
•子どもの可能性を信じて認め、それを伝え続けること。
が重要なのだと感じました。
教育法に関しては様々研究も進んでいますが、学習法を以下のよう
・全体への講義や点数での比較や評価をやめる
・子どもが興味を持って主体的に取り組める授業を行う
・子ども自身、それぞれが何を学んだか
また、子どもの周囲の大人が、それぞれ意識を変える必
どんな子でも環境によって変わっていくことができると信じるこ
家庭だけ、学校だけを変えるのではなく、家庭や学校、子供を取り
◯本書の感想
本自体は、翻訳本という所もあり、正直読みやすい本、という感じでは
ただ教育関係者や問題のある子どもと関わる仕事をしている方には
この本では様々な研究から、このやり方では何パーセントの生徒に改善が見られた、などの具体的な数字として、効果があった学習法などを紹介しています。
それら研究データは、教師が今までのやり方を変え、実際に新しい方法を取り入れてみようと思うに値するものでしょう。
また本書では、教育者の、「あなたを認めているよ、信じているよ」と
社会政策や教育の仕組みが変わらずとも、大人の日々の愛情や関わりによって、子どもは変わっていける、と信じることができるでしょう。
◯母親としての観点から
筆者の場合、第一子に重度障害があり、そのために私自身が精神的
しかし、本書を読んで、
例え幼少期に大きなストレスがあったとしても、これ
が重要なのだと感じました。
人間にとって心の基礎となる、愛着の形成に重要な時期は3歳まで
または両親のケンカを見せてしまったり、離婚や再婚、うちのよう
しかし、過ぎてしまった過去はどう足掻いても変えることはできま
大切なのは、今からでも愛情を持ってお子さんと接していくことで
そうすれば、お子さん自身が考え、自身の成長により、逆境を乗り
お子さんに愛情が足りないな、と思う方は、まずは自分自身の心に
お母さんの心の安定は、お子さんにも大きな影響を与えるものです
もしも私のように、お子さんの障害など、何かの悲しみから抜け出
>>>我が子の障害を受け入れるまでにかかる年数は?〜「悲しみの5段階」とは〜