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北海道の道央地区で、趣味の家庭菜園をしています。
みなさん、ヤーコンという野菜をご存知ですか?
ヤーコンはさつまいものように秋に芋を掘って食べる根菜で、 シャキシャキとした水々しい食感と梨のような甘さが特徴の野菜で す。
ヤーコンはあまりスーパーなどには出回ることのない野菜ですが、 北海道では比較的育てやすい野菜なんですよ。
我が家では毎年欠かさず作る、定番の野菜となっています。
今回は北海道でのヤーコンの育て方をご紹介します。
北海道でのヤーコンの育て方
栽培スケジュール
- 5月上旬 土起こし、堆肥、石灰散布、元肥
- 5月中旬 植え付け
- 10月下旬〜収穫
①植え付け時期
ヤーコンは15度〜23度ほどの冷涼な気候を好むため、 北海道の場合は5月中旬頃から植え付けを行えます。
本州では越冬も可能ですが、北海道では越冬は難しいため、 春に苗を購入するか、 収穫時に塊茎と呼ばれる芽が出る部分を保存しておき、 4月頃からポットに埋めて育苗します。
②植える前の準備
◯土の準備
5月上旬頃、土を50センチほどの深さまでよく耕し、 堆肥を入れます。植え付けの1週間前に、有機石灰、 肥料を入れます。
1平方メートルあたりの目安
- 堆肥は20ℓ
- 有機石灰を3掴み(150g)
- 元肥として化成肥料や鶏糞を3掴み(150g)
◯畝を立てる
ヤーコンは夏場にはひまわりのようにかなりの高さまで成長します 。
畝の幅は80センチ、高さ10センチほどの畝を立て、 株間は50センチ以上とりましょう。
◯苗の準備
ホームセンターなどに塊茎が売られていることもありますが、 2つで500円ほどと高いです。
塊茎から育てる場合は4月上旬頃、 ポットに10センチほどの深さに植え、育苗し、 5月中旬以降に植え付けます。
(北海道では栽培期間が短いので、 直に土に植えるよりも早めに育苗して植え付けたほうが確実でしょ う。)
少量の栽培場合は苗の購入をおすすめします。
我が家では毎年5月の中旬頃に、 JAで一苗100円の苗を購入しています。
③植え方
- 植え穴を掘り、たっぷりと水を染み込ませます。
- ポットから外し、根鉢を崩さず植え付けます。
- 土を寄せ、軽く押さえます。
- もう一度しっかり水をやります。
- 風が強い地域の場合は最初に支柱を立てておくと倒伏を防ぐことが
出来る。 - かなり大きくなるので株間はしっかり空けておく。
④収穫までのお世話
◯水やり
降雨のみで問題なく育ちます。ヤーコンは加湿に弱いので、 水をやりすぎないようにしましょう。
晴天が続く場合は、土が乾いたらたっぷり水をやりましょう。
◯追肥
植え付けから1ヶ月たったら追肥を開始します。
一株に一握りほどの肥料をばら撒き、土にしっかり混ぜ込みます。
葉先の下まで根が張ってくるので、 葉先の下あたりに施肥して下さい。
約2週間に一度のペースで追肥と土寄せを行います。
夏場以降の芋の生育期にはしっかり追肥をしてやると、 しっかりしたサイズの芋を収穫できます。
◯倒伏対策
ヤーコンは放っておくと背丈が2メートルほどにも成長します。
我が家では支柱を立てて育てていますが、 風の強い地域ではヤーコンが育ってきた7月頃、80センチほどの高さに剪定してやると良いでし ょう。
ヤーコンは株元からも脇芽が沢山育つので、 剪定しても問題なく育ちます。
収穫までは時間がかかりますが、ヤーコンの葉を収穫してヤーコン茶を作ると栽培中も楽しむことができます。
⑤収穫時期と収穫方法
ヤーコンは北海道の場合は霜が降りる前、 10月下旬頃までに収穫します。
地上部は青々としているため収穫期が分かりにくいですが、 植え付けから半年ほどたつと、しっかり芋が育ってきています。
収穫時には、 まずは地上部を10センチほど残してハサミやカマで刈り取りまし ょう。
それから株元から30センチほど離れた位置にスコップを入れ、 土を持ち上げるようにほぐします。
株元の残った茎を持ち上げると、一株から10本〜 15本ほどの芋が収穫できるでしょう。
◯ヤーコンの保存
ヤーコンは水分の含有量が多いため、他の芋類に比べるとあまり長持ちしません。
掘り上げ後は新聞紙に包んで冷蔵庫で保存し、 早めに使うようにしましょう。
濡れたキッチンペーパーに包んでおけば、1〜2ヶ月程度は保存可能です。
珍しいので、ご近所に配っても喜ばれるかと思います。
◯ヤーコンのプランター栽培
ヤーコンは、プランターや袋栽培でも栽培することは可能です。
10号以上の鉢で、 一株に15リットル程度の土の量を目安に植え付けましょう。
プランターや袋栽培の場合、 背が高くなるので倒伏には注意します。
また25度以上の暑さも苦手なので、 夏場は涼しい場所に移動してやりましょう。
プランターの場合は土の表面が乾いたらしっかり水やりをします。
◯ヤーコンの調理法
ヤーコンは梨のような食感を生かし、 サラダや炒め物に利用します。
ヤーコンにはフラクトオリゴ糖と呼ばれる、 太りにくくお腹に優しい糖分と食物繊維がたっぷり含まれているた め、女性にも嬉しい食材です。
調理法の中でも特におすすめなのはきんぴらです。 ヤーコンの甘みはきんぴらに良く合い、モリモリ食べられます。
切ったヤーコンはゴボウのように変色しやすいので、 切ったらすぐに水にさらします。
水にさらしすぎると甘みも抜けてしまうので注意しましょう。
きんぴらにする場合はヤーコン自体が甘いので、 使用するお砂糖の量は少なくて大丈夫です。
その他の調理法としては、炒めものや浅漬けにしても美味しいです。
マヨネーズなどで和物にする場合は水分が出やすいので注意しまし ょう。
酢水にさっと晒して色止めしてから水気を良く切ってから利用する と良いでしょう。
•ヤーコンの葉の利用
ヤーコンの葉も捨てずに乾燥させて保存すれば、 ヤーコン茶として楽しむことができます。
ヤーコン茶はポリフェノール、オリゴ糖、ミネラルがたっぷりで、 体にもとても良いそうですよ。
作り方は、葉っぱをカラカラになるまで乾燥させ保存し、 日本茶やほうじ茶のようにお湯で煎じていただくだけです。
◯塊茎の保存
株の根本に残った塊茎は、 上手に保存すれば翌年種芋として保存できます。
ピンク色の種芋部分の白くなった突起から芽が出てきます。
本州の場合は畑の土に埋めておけば簡単に越冬できますが、 地面まで凍る北海道の場合は難しいでしょう。
北海道の場合、塊茎を土付きのまま新聞紙で包み、 ダンボールやおがくずなど通気性のある場所で、 5度くらいの気温を保つと越冬できるようです。
4月ごろ育苗を始める時には、 赤い芽の部分が一つになるようにナイフなどで切り分けて利用しま す。
乾燥した場所だと塊根も乾燥して死んでしまうので注意します。
我が家では、新聞紙にくるんでダンボールの蓋を閉めないで保存したところ、春にはカラカラに干からびてしまいました。
まとめ
ヤーコンは連作障害が出にくいので、 同じ場所での栽培も可能です。
栽培期間は半年以上と長いですが、病害虫の被害もほとんどなく、 放任で育つほどたくましい野菜です。
そして何より、収穫時のワクワクは根菜類ならではです。
10本以上の芋が地中から現れる様子は壮観ですよ。
我が家では毎年ご近所へのお裾分けにも重宝する野菜です。
北海道の家庭菜園には簡単でおすすめのお野菜なので、 ぜひヤーコン栽培を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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