夢をみました。
息子に期待して、できないことを頑張らせすぎて、息子も自分も大泣きする夢。
当時の苦しい気持ちを急に思い出し、眠れなくなりました。
今はもう、そんな気持ちになることはないのだけど……
せっかくなので、眠れなくなってしまった今日は、障害のある子どもに期待しすぎてしまうときはどうしたらいいかをお伝えしようと思います。
障害児に期待しすぎてしまうときの対処法・考え方
障害のある子どもに期待しすぎてしまうときの大事なポイントは、ママが期待してしまった自分を責めないことです。
「頑張ったら、できるようになるんじゃないか」
「こんなに準備をしたんだから、少しは頑張ってくれるはず」
そんなふうに、子どもに対して期待してしまうことは、障害児の親なら大いにあると思います。
わたしも、いつまでたっても食べられない息子、話せない息子、歩けない息子に、いつも期待し、惨敗してきました。
頑張って作ったミキサー食を、一口も食べずに残された日には「なんで食べないの!」と息子を怒鳴りつけたこともありました。
そして、そのあと理不尽に怒鳴ってしまったことを、ものすごく後悔するんですよね……
でもね、期待してしまうことは仕方ないこと。誰も悪くないんです。
期待してしまったあと、自分を責めることが、ワナだと思うのです。
ときには、子どもや、関わっている周囲の人を責めてしまうこともあるかもしれません。
例えば、頑張って準備をしたのに、子どもがまったく頑張ろうともしてくれなかったとき。
あるいは、おすすめの方法を試し、成果が出なかったときに、その方法を発信していた人に対して。
わかってくれないパートナーに、怒りの矛先を向けてしまうことも少なくないのではないでしょうか。
障害児とはいえ、発達にはかなり個人差があって、小さなうちはとくに「期待のワナ」にハマりやすいのです。
その子が何ができるようになるかなんて、神様だってわからない。病気や障害があるとはいえ、成長の可能性はゼロじゃないなら、期待して当然なんです。
でも、期待すれば期待するほど、できなかったときの落差は大きくなります。
「やっぱりできなかった」
「やっぱりこの子は普通じゃないんだ……」
障害児の親が、一番苦しいときです。
そんなときに、「がんばってよ!」「できるようになってよ!」という期待で、お子さんを責めてしまうこともあるかと思います。周囲へ怒りをぶつけてしまう方もいるかもしれません。
でも、期待すること自体が悪いわけではないんです。
本当の弊害は、期待のあとにあります。
それは、ママが期待してしまったり、怒ってしまったりした自分を責めること。
それこそが、苦しみの根源だと思っています。
自分を責める行為は、自尊心を低下させ、マイナス思考のループへと自ら導く行為です。
自尊心とは、自分を認めること。いいことも悪いことも、「これでいい、これも自分」と受け入れることです。
自分を認められなければ、当然そこには苦しみが生まれます。
「わたしはなんてダメなんだろう」と自分を責めてしまうと、苦しみで心がいっぱいになり、感情は爆発しやすくなります。
たまった苦しみ、悲しみは「怒り」というかたちで周囲を傷つけて、そしてまた後悔を生みます。
自分を責めることをやめない限り、そんな負のループが続いてしまうのです。
障害のある子どもに期待して苦しいときは、次のポイントを意識してください。
- 期待して当然と思うこと
- 期待してしまった自分や、怒ってしまった自分を許すこと
これができるだけで、後悔や苦しさを引きずらずに、先に進みやすくなります。
あなたはよく頑張っているし、お子さんも悪くありません。
苦しさの理由は、「自分を許せないこと」だと認識し、どうか許すための努力をしてください。
もしもお子さんを怒鳴ったり叩いたりしてしまったとしても、そのあと抱きしめてあげれば大丈夫。それだけ、あなたの心がいっぱいだっただけです。
期待しすぎる自分も、うまくできない自分も、すべて許して心をかるくすれば、感情が爆発してしまうことも少なくなります。
障害児育児はどうしても時間がかかるもの。わたしも、何年も期待し続けてきました。
長い道のりを、苦しみばかりに支配されて過さずにすむよう、この記事をきっかけに「自分を許す」ことを、意識していってみてください。
自分を許して、心を軽くしましょう
最後に、わたしの本を1冊ご紹介します。
「ある日突然、障害児の母となったあなたへ〜心を軽くする方法」
いちばん苦しかった時期の、過去の私自身を救うつもりで書いた本です。
今回の記事のように、障害児の親が心を軽くできるようなヒントを書いています。
堕筆ではありますが、お子さんの病気や障害で苦しんでいるどなたかの参考になれば幸いです。
息子の障害がわかってから10年。最近、障害児向け絵本作家として活動を始めました。
こんな未来が来るとは、想像もできなかったなぁ。
10年もかかりましたが、今では心から、障害児を産んでも「人生終わり」ではなかったなと思っています。
よければ、絵本も見てみてください。
お子さんと一緒に、ゆっくりと楽しみながら心を育てていけるような、そんな絵本を目指しています。