障害児向け発達絵本 PR

障害児の読み聞かせにおすすめの絵本は?絵本の効果と選び方

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こんにちは、重症心身障害児の母、たんぽぽ母ちゃんです。

障害のあるお子さんをもつ方のなかには、

子どもの発達を少しでも伸ばすため、絵本を読んであげたい

そんなふうに思っている方も多いのではないでしょうか。

わたしも、息子が小さいうちはたくさんの絵本を試してきました。

ただ、膨大な数の絵本があるなかで、中身もわからずどんな本を選べばいいのかは難しいですよね。

そこでこの記事では、わたしの経験も踏まえて、障害児の読み聞かせに向く絵本の選び方や、おすすめ絵本をご紹介します。

冒頭では絵本の効果もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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1.障害児に絵本を読み聞かせることの効果3つ

絵本の読み聞かせによって、障害児の発達にさまざまな効果が期待できます。

主な効果としては、以下の3つがあげられます。

  1. 心を育てる
  2. 言葉を育てる
  3. 感情を育てる

これらについて、以下にご紹介します。

1-1.心を育てる

障害児への絵本の読み聞かせの大きな効果として、心を育てることができます。

心とは、人が人として考え、感じていく「もと」となるもの。心が出来上がる根本として、心理学では愛着形成(アタッチメント)が大切といわれます(ボウルビィ・1969)。

愛着とは、簡単にいうと「お母さんといると安心する」と感じる気持ちです。根本にこの「安心」があることで、心が健全に育っていくといわれているのです。

つまり、絵本の読み聞かせで親子の触れ合いの時間をつくることで、お母さんのぬくもりを感じて安心し、愛着が形成され、心が育っていくのです。

 

障害児のように発達に偏りのある子どもは、成長したあとも生活のなかで不安や戸惑いを感じることが多いです。

愛着が未形成で心の土台が不安定だと、不安から自傷行為や他害、心の病気など、二次障害が生じてしまうことにもなりかねません。

ですから、これから生きていくうえでも心の土台をしっかりと安定させておくことは重要といえるでしょう。

ぜひ絵本の読み聞かせで、子どもと触れ合う時間をつくってみてくださいね。

 

1-2.言葉を育てる

障害児への絵本の読み聞かせは、言葉の発達に大きく役立つことが研究でもわかってきています(※)。

絵本が言葉を育てる理由として、以下の2つがあげられます。

  • 同じ言葉を繰り返し聞くことで自発語として定着する
  • 保育者とのやり取りのなかで言葉を身につけやすくなる

まず、絵本では同じ言葉を何度も耳にしますから、そこから言葉が定着していく可能性があります。

加えて、絵本を読むことでお母さんとの直接的なやり取りの機会が増え、言葉の習得に役立ちます。

具体的には、絵本のイラストをみながら、

「これは、お花、だね」

などと指をさして言葉を教えるといったやり取りにより、言葉を獲得しやすくなります。

これは、保育や発達の世界では共同注視(共同注意)と呼ばれるもの。

お母さんと子どもが同じものに視線を合わせながら言葉がけをすることで、概念や言葉の理解が進んでいくのです。

 

自閉症児などはこの共同注視が苦手で言語発達が遅れるといわれていますが、好きな絵本を通してやりとりができれば、共同注視を促しやすくなると考えられます。

うちの子も自閉傾向が強く、共同注視ができないことが悩みでしたが、最近になってようやく、絵本の読み聞かせで指差した先を見てくれるようになってきました。

これができると、一気に言葉の認識が進むのではないかと思っています。

 

※参考:重度・重複障害見の言語的コミュニケーション指導における絵本の読み聞かせの効果

 

1-3.感情を育てる

絵本の読み聞かせは、感情も育ててくれます。

人は、両親や他者とのかかわりを通して、徐々に「悲しい」「うれしい」といった感情を獲得していきます。

具体的には、感情と言葉の結びつきを理解することで、「この気持ちは“楽しい”なんだ」などとわかっていくのです。

言葉と感情を結びつけるためには、気持ちを代弁してもらう経験が重要です。

例えば、転んでケガをしたときに、

「痛かったね、悲しいね」

とお母さんから声をかけてもらうことで、この感情は「悲しい」なんだと気づくのです。

 

絵本には、物語によってさまざまな感情が描かれます。

それらの感情に対し、「くまさん、泣いてるね、悲しいんだね」などと語りかけることで、感情と言葉が結びつきやすくなり、感情発達を促すことができるのです。

 

自閉症やアスペルガーといった障害の場合、感情の表現や他人の感情を理解することが難しい場合がありますよね。

そうしたときに絵本を上手に使うと、感情を理解しやすくなるといえます。

 

2.障害児に絵本を選ぶときは発達段階から選ぶ

次に、障害のある子どもに絵本を選ぶ際のポイントをご紹介します。重要なのは、次の2点です。

  1. 発達段階に合った絵本を選ぶこと
  2. 子どもが興味をもった絵本を選ぶこと

それぞれご紹介します。

2-1.障害児の絵本選びのポイント①発達段階に合った絵本を選ぶ

ひとつめのポイントは、発達段階に合った絵本を選ぶことです。

「発達」とは、子どもが成長する段階のこと。運動、言語、コミュニケーション(社会性)など、すべての発達には段階があり、順を追ってしか階段を登ることはできません。

つまり、レベル1をクリアしたらレベル2に、といったように、ひとつずつ発達段階をクリアしていく必要があるのです。

 

絵本にも、発達段階に合うもの、合わないものがあります。

例えば、1歳児に長文の物語絵本を読み聞かせても、飽きてしまって最後まで読めないことは簡単に想像できますよね。

また発達に加えて、実は視力の問題もあります。子どもの視力は段階的に上がっていくため、1歳前は細かな絵よりもはっきりした色や線のほうが捉えやすいといわれているのです。

 

健常児でも、年齢に応じて次のような絵本を選ぶといいといわれています。

 

0~1歳

・背景が白で、はっきりした色の絵本

・繰り返し絵本(いないいないばあのようなイメージ)

・言葉のリズムや響きを楽しめる絵本(オノマトペ)

・子どもに語りかけながら楽しめる絵本

・触れ合いを楽しめる絵本

1~2歳

・まねしやすい擬音の絵本(ワンワン、ブーブなど)

・生活に関連した絵本(食べ物、トイレなど)

・成長や失敗を疑似体験できる絵本

・思わず笑ってしまうようなおもしろ絵本

2~3歳

・さまざまな感情がでてくる短い物語絵本

・言葉遊びの絵本

・色彩が繊細な絵本

・好奇心を満たす絵本

3~4歳

・長めの物語絵本

・想像力を鍛えられる絵本

・友達とのかかわりが描かれた絵本

 

障害児の場合、上記の年齢的指標だけでなく、コミュニケーション能力の発達段階をみるといいと思います。

コミュニケーション能力の発達段階は、以下のように4段階に分けられるとされています(※竹田ら・1994,2005)。

 

聞き手効果段階

0~10か月頃

大人が子どもの気持ちを読み取る段階

意図的伝達段階

10か月~1歳頃

視線や発声で意図を伝えられる段階

命題伝達段階

1歳~1歳4か月頃

言葉で伝えられる段階(一語文など)

言語期(文と会話)

1歳半~2歳頃

文で表現できる段階(二語文以上)

※ 竹田契一監修,里見恵子他著『実践インリアル・アプローチ事例集』 平成17年 日本文化科学社より

 

知的障害児の場合、意図を言葉で伝えられるようになるまでが難しいケースが多いのではないかと思います。

うちの子も、第二段階の意図的伝達段階に一歩踏み込んだくらいで何年も止まっています。

前半2つ、「聞き手効果段階」と「意図的伝達段階」で発達を促すためには、次のようなかかわりをしていくといいとされています。

 

【聞き手効果段階のかかわり方のポイント】

・あたたかいかかわりのなかで周囲の人の存在に気づかせる

・快刺激につながる遊びを取り入れ、人とのかかわりを好意的に感じさせる

・はじまりと終わり(流れ)を意識させ、意図伝達につなげる

聞き手効果段階では、かかわりのなかで周囲の人の存在に気づかせ、あたたかな関係性を築きます。

ゆらゆらやこちょこちょ、歌などの遊びから快刺激(気持ちのいい刺激)を与えてあげるといいでしょう。

絵本もそうした触れ合い絵本を選ぶといいと思います。

子どもが絵本にいい反応を示してくれたら、「おもしろいね」など子どもの気持ちを代弁してあげましょう。

 

また絵本は、はじまりと終わりがわかりやすいため、「また読んでもらいたい」という意思表示につながりやすいツールといえます。

子どもの反応がよければ、「もう一回読む?」などの問いかけで意思表示を促してみてください。

 

【意図的伝達段階のかかわり方のポイント】

・大人とのやりとりのなかで要求を伝える機会を増やす

・子どもからのはたらきかけで遊びが始まることを理解させる

発声や視線で意図を伝えられるようになってきたら、子どもができる伝達段階で意思を伝える練習を繰り返していきます。

うちの子であれば、「やりたい(イエス)」を表す「タッチ」を練習しています。

絵本を読むときは、2冊を用意して、「どっちがいい?」などと選択させてみてください。

もしも選べたら、「こっちが読みたいね」などと気持ちを言葉で代弁してあげてくださいね。

「タッチをした本を読んでもらえる」など、自分からの働きかけで状況が変わることを子どもが理解できると、自発的な意思表示が増えていきます。

 

※参考:http://www.edu.pref.kagoshima.jp/research/result/siryou/shidosiryou/h24/1736-tokubetushien165.pdf

 

2-2.障害児の絵本選びのポイント②子どもが興味をもった絵本を選ぶ

絵本は、子どもが興味をもったものを選ぶことが重要です。

大人もそうですが、興味がないものを見せられても、なかなか熱心に見ようとは思わないですよね。

逆に、興味があればまた読みたいという気持ちになり、「読んでほしい」という意思を大人に伝えられるようになっていきます。楽しい気持ちを育み、心や言葉を育てることができます。

 

おすすめの絵本はたくさんありますが、本当にいい絵本は、子ども自身が興味をもった絵本です。

普段から子どもの好きなものを観察して、興味をもってくれそうな絵本を探してみてくださいね。

 

3.発達段階別のおすすめ絵本

次に、先ほどご紹介したコミュニケーション能力の発達段階別に、おすすめ絵本をご紹介します。

ただし、前述したようにお子さんが興味をもてることが大切ですので、参考として捉え、お子さんに合いそうであれば試してみてくださいね。

 

①聞き手効果段階

0~10か月頃

大人が子どもの気持ちを読み取る段階

②意図的伝達段階

10か月~1歳頃

視線や発声で意図を伝えられる

③命題伝達段階

1歳~1歳4か月頃

言葉で伝えられる

④言語期(文と会話)

1歳半~2歳頃

文で表現できる

 

3-1.①大人が気持ちを読み取る段階 におすすめの絵本

まだ泣いて「不快」を伝えることしかできないなど、自分で意思表示する方法を獲得する前の段階には、保育者(お母さん)との温かいかかわりを感じられるような絵本がおすすめです。

具体的には、心地よいリズムや歌の絵本、読みながら触れ合える絵本などを選ぶといいでしょう。

「赤ちゃん絵本」や「触れ合い絵本」と呼ばれるジャンルの絵本では、こうした内容のものが多いです。

あたたかく楽しいかかわりのなかで、次第に自分からかかわりをもとうとする気持ちが芽生えていきます。

 

くっついたは、きんぎょさんや動物さんがぴたっとくっついていく絵本です。くっつくシーンに合わせてお子さんともくっついてみると、肌と肌の触れ合いも楽しめますよ。

松谷みよ子さんは、昔から赤ちゃん絵本を書かれている作家さん。やわらかな言葉遣いがとても好きで、読んでいてほわっとした気持ちになります。寝る前の読み聞かせに読めば、子守歌がわりになりそうです。

3-2.②視線や発声で意思を伝えられる段階 におすすめの絵本

目線で欲しいものを見る、「あー」などの発声で欲しいという意思を示すなど、自分なりの意思表示方法を獲得した段階では、言葉に興味をもてるような絵本を選ぶといいでしょう。

具体的には、オノマトペ(擬音)の絵本などがおすすめです。

オノマトペとは、わんわん(犬の鳴き声)、ザーザー(雨が降る音)など、物や状況を言葉で表す擬音語のことです。

オノマトペは子どもがまねをしやすい言葉のため、音から言葉への興味を育てるには最適です。

障害の重い子どもほど言葉を音楽のように捉えるようなので、リズムのあるオノマトペ絵本は興味をひきやすいといえます。

うちの子も、絵本は見るよりも「聴く」ほうが好きなようで、リズムのあるオノマトペ絵本を好んで聴いています。

 

さまざまな擬音が登場する絵本です。擬音だけでなく、はっきりとした色と線で、興味をひきやすい内容になっています。

もこもこ……という擬音ともに、形が変化していく不思議な絵本。つい引き込まれる魅力があります。

不思議な擬音が満載で、絵もはっきりしていて見やすい絵本です。

 

そのほか、いないいないばあのような繰り返しの絵本もおすすめです。

繰り返しの絵本はリズムが楽しいだけでなく、「予測」する力を育て、「期待」の感情を生み出します。

つまり、絵本の展開を理解しやすいため、子どもが次の展開を期待して楽しめるんですね。

「いないいない」の次は「ばあ!」と顔が見える、という決まった流れのなかで、期待から「早く次のページを見せて!」という意思表示につながりやすいというわけです。

意思表示を促すためには、あえてページをめくらず「じらす」というのもいいかもしれませんね。

 

だるまさんシリーズは、昔から息子が大好きな絵本。この絵本で「期待」を覚えたといっても過言ではありません。大人が読んでもおもしろいですよね。

単純な繰り返しの絵本ですが、なぜか好きな子が多い絵本。がたんごとん~の響きがくせになるようです。
 

いないいないばあの絵本はたくさんありますが、しかけもあり、楽しい絵本です。うちの子どもたちはみんな大好きでした。

3-3.③言葉で意思を伝えられる段階 におすすめの絵本

「行く」「いる(欲しい)」「やだ」などの一語文のように、言葉で意思を伝えられるようになってきたら、ストーリー性のある絵本がおすすめです。

ストーリーがあると、さまざまな感情を疑似体験できるため、感情の獲得(言語化)につながりやすくなります。

 

ノンタンシリーズのなかでも大好きな絵本です。「じゅんばん」を覚えさせたいときにもいいですよね。ブランコに乗りながら数を数えるので、数字も覚えやすくなります。

 

また、言葉への興味を育てるという部分では、擬音がおもしろい絵本や、つい笑ってしまうような絵本もおすすめです。

楽しい気持ちを親子で共有していくことで、感情をお母さんにもっと伝えたいという気持ちが育ち、言語の発達につながっていきます。

 

クイズ形式で楽しめる絵本です。「おしり」というワードだけでも、楽しくなってしまうお子さんは多いかもしれませんね。

 

お子さんが興味をもつようであれば、生活の場面をリアルに描いた生活絵本などもおすすめです。

例えば、トイレや食事をテーマにした絵本を上手に使えば、「自分も同じようにやってみたい」という気持ちを育てられます。

 

こぐまちゃんシリーズでは、さまざまな生活の場面が描かれています。こぐまちゃんの目線で疑似体験をできる絵本なので、実際の遊びを思い出しながら、ワクワクして読めますよ。

 

3-4.④文で気持ちを伝えられる段階 におすすめの絵本

「おそと いきたい」など、自分の意思を文で伝えられるようになってきたら、想像力を育てる絵本や、さまざまな感情が描かれた物語絵本などがおすすめです。

発達に偏りがあると、感情の捉え方や考え方が少し人と違っていたり、人の気持ちを理解しにくかったりすることがありますよね。

そんなときに、さまざまなストーリーの絵本を読んでいくと、感情の疑似体験ができ、想像力が育ちやすくなるのではないかと思います。

また子どもが「楽しい」「好き」と感じる絵本をたくさん読むことで、感性が刺激され、好奇心やその子にしかない能力が育ちやすくなります。

 

思いやりのバトンタッチがおもしろい絵本。他の人はどんなふうに感じるか?という感情の想像に役立つ絵本です。

 

4.重症心身障害児におすすめの絵本

  • 重症心身障害児には、次のような本がおすすめです。
  • 触れ合い絵本
  • 感触を楽しむ絵本
  • 言葉のリズムを楽しむ絵本

重症心身障害児は上手に絵本を見られない子も多いですから、「耳」と「体感覚」から楽しめる絵本を選ぶといいかと思います。

例えば、絵本を見ることが難しくても、抱っこで絵本のリズムを聞かせてあげるだけで絵本を楽しむことができます。

「ゆらゆら」や「がたがた」、「こちょこちょ」などの体感覚・触覚へはたらきかける要素があると、より楽しめるかなと思います。

うちの子も小さいうちは絵本を「見る」ことはできませんでしたが、ゆらゆらなどの体の感覚にはよく反応してくれました。

 

もしも重症心身障害児への読み聞かせで絵本を見てくれない場合、絵本を読む行為が意味がないように感じるかもしれません。しかし、それは絵本は「見る」ものと決めつけているからではないでしょうか。

絵本を耳から読み聞かせてあげるだけでも、お子さんには伝わるものがあるのではないかと思っています。

 

絵本の登場人物と一緒にこちょこちょしながら読んでほしい絵本です。

パペット仕掛けの絵本。うちもプレゼントでいただきましたが、人形あそびとしても楽しめて、自由な発想でセリフをつけられるのでおすすめですよ。

こちらは手触りを楽しむ絵本です。障害のあるお子さんへの触覚刺激におすすめです。

5.自閉症児におすすめの絵本

自閉症児は視覚優位(言葉よりも目からの情報のほうが理解しやすい)の傾向が強いため、上手に絵本を取り入れれば概念や言葉の理解に役立ちます。

特別支援学校や児童デイサービスなどでも、よく絵カード(生活を絵で表したもの)が用いられますが、これは言葉で伝えるよりもイラストで伝えたほうが理解しやすいためです。

つまり、絵本は発達障害がある子どもにとって言葉よりも理解しやすいツールといえるでしょう。

 

「目が合わない」など共同注視が苦手な自閉症児の場合は、保育者との体感の共有を繰り返し練習していくことが大切といわれます。

絵本であれば共同注視の練習になりやすく、興味をもった対象から言葉の理解を深めていくこともしやすくなります。

どの絵本がおすすめというのは難しいのですが、車が好きなら乗り物の絵本など、興味のあるものから絵本を探してみるといいと思います。

 

 

また、質問の意味を理解できずにオウム返しになってしまうお子さんには、質問(問いかけ)と答えが書かれている絵本がおすすめです。

質問と答えの流れを繰り返し読んで覚えることで、質問の意味を理解しやすくなりますよ。

 

シャツを足にはいてしまったり、うまく着替えられないこぐまちゃん。「こうすればうまくいくよ!」とつい教えたくなる絵本です。

 

知的に軽度なお子さんには、概念や感情を理解できるような絵本がおすすめです。

自閉症やアスペルガーなど発達障害があると、概念の理解が難しかったり、他人の感覚や気持ちを想像することが難しかったりといったことがあります。

そうしたときに楽しい絵本を用いれば、楽しみながら理解を深めることができるでしょう。

 

6.子どもが絵本を見てくれないときの対処法

障害のある子に絵本がいいとわかっていても、思うように見てくれないことってありますよね。

うちの息子も数年「絵本噛み」にハマってしまって(4歳ころ)、読もうとすると「噛ませろ〜」と怒って大変でした。

結論から言うと、どうしても無理なときは諦めましょう。

無理をしても、こちらがしんどくなるだけですし、お子さんも絵本が嫌いになってしまいます。

うちの場合は数年諦めたあと、今度はページめくりにハマり(1~2年生)、そのあとは絵本を見てくれるようになりました。

 

どうしても絵本を読んであげたいという方は、次の方法を試してみてください。

  • 少し離れたところでお母さんが楽しそうに絵本を読んでみる(耳から興味をひく)
  • 寝る前に絵本を読むことを習慣にする(お母さんが)
  • 絵本のかわりに動画を活用する

ポイントとして、無理に見させようとしないこと。遠くから読み聞かせテープを聞かせているようなつもりで、さりげなく興味をひいてみてくださいね。

絵本をかじったり破いたりといった問題がある場合は、スマホやタブレットを活用するのもひとつです。

 

また、選ぶ本が興味や発達段階に合っていないことが原因の場合もあります。

その場合は、絵本の内容を見直してみましょう。

大人がおもしろいと思っても、子どもにとってはおもしろくないものもあります。

少し簡単な内容を選ぶことを意識し、次のような絵本を選んでみてください。

  • 言葉が少ない絵本
  • 繰り返しの絵本
  • リズムや音がおもしろい絵本

お子さんの様子をよく観察し、こんな絵本がハマりそうかも!というものを探してみてくださいね。

7.障害児向けの絵本を作っています

わたしには、小さいころから絵本を作りたいという夢がありました。絵は描けないけれど、絵本は大好き。ライター業をはじめてからは、絵本の脚本なども担当させていただくようになりました。

そして、2022年から、障害児向けの絵本作家として活動を開始。

保育士や幼稚園教諭などの経験をいかし、さまざまなタイプのお子さんに役立つ絵本を生み出していきたいと思っています。

もちろん、今回ご紹介したような発達段階も意識しながら絵本を作っています。

 

なお、絵本の内容はすべてYouTubeで見られるようにしています。

作った絵本は以下のページより一覧で確認できますので、ぜひ覗いてみてください。

しょうじあいかの絵本
障害児向け発達絵本|しょうじ あいか作品一覧こちらのページをご覧いただきありがとうございます。 たんぽぽ母ちゃんこと、しょうじ あいかと申します。 こちらのページでは、わたしの...

 

最後に、絵本は「読まなければならないもの」ではなく、「親子で楽しむもの」だと思っています。

わたしは絵本が大好きですが、母が絵本を好きだったから、わたしも絵本を好きになったのだと思います。

障害児を育てる親御さんは一生懸命な方が多いですが、がんばりすぎず、親子で楽しめる絵本を探してみてくださいね。

お子さんにも、あなたにも、ステキな絵本との出会いがあることを祈っています。

 

2023年4月より、障害児支援を目的とした絵本屋さん『絵本屋だっこ』をオープンしました! 障害があってもなくても一緒に楽しめるような絵本をつくっていますので、ぜひのぞいていただけたらうれしいです♪

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